邪道も茶道

邪道も茶道

稲刈りも祭りも終わり、茶業に専念しています。
道中の、水引き草が見頃です。

朝が寒くて、そして昨日の疲れで体がきしむので、
お茶に元気をもらっています。

いいお茶は、湯冷ましした方が、バランスよい味がでます。
それに、心を込めて揉んだみる芽に熱湯をぶっかけるなんて、
気持ちが許せません。

ですが、この頃は、少し熱めの湯にして、渋いのも楽しんでいます。
体がほっと温まり、しゃきっとします。

実は、「渋いお茶」には思い出があります。

うちからお葬式を出したとき。
睡眠と神経を削って、諸々と動いてくれていた叔父が、

「渋いの飲みたいなあ。」と言いました。

邪道と思いつつ、いいお茶を 熱い湯で濃く淹れたら、

「お~、うまいなあ。」と一言。

それが、本当に美味しそうなので、
相当、お疲れだったんだなあ、と思いました。

そういえば、石田三成が、温度を変えて点てたお茶。
その頃は抹茶でしたが、その美味しさに豊臣秀吉が
大層感心したそうです。

相手を思う気持ちを、お茶で表現できるなんて、
すごい人です。

いいお茶の渋さは、くせになる美味しさです。
皆さまのお口に合うかわかりませんが、お勧めです。
どうぞ、お試し下さい。

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春野のお茶・栗崎園 http://www.kurisakien.com/
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この記事へのコメント
栗崎さまの心に残る優しい思い出の風景が見えるようです。すてきなお話しですね。
私も母を思い出し、胸に温かな気持ちが込み上げてまいりました。
いつの時代も人はお茶とともに生き、去っていったのですね。人は過去から未来へ常にお茶に包まれているのだと思います。
そのお茶を作る人々は国の宝です。
栗崎さまの真心、命のこもったお茶をいただけることは本当に幸せです。
私も熱めのお湯で楽しんでみましょう♪
気持ちが和むお話しをありがとうございました。
Posted by 藤紫 at 2009年10月22日 23:04
藤紫さま、コメントありがとうございます。

「お茶に包まれている」ってすてきな表現をされますね。その通りだと思いました。

「自然」も、そしてそこから生まれる「お茶」も、包み込む優しさと厳しさを兼ね備えていて、人々はそれに魅了されたり、救われたりして生かされているなあと思います。

私たちと少し違う立場でお茶に携わられている藤紫さま、尊敬のあまり緊張してしまうような方なのに、こうやって共感できるのも「お茶」のおかげです。
お茶の精神を受け継がれている藤紫さまたちこそ、国の宝だと思いました。
Posted by チャーボー at 2009年10月23日 22:10
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